ドクターマーチン(Dr. Martens)2976 DSのウェルト交換をご依頼いただきました。
2976 DSは、2列のイエローステッチと2本のプルタグが特徴のチェルシーブーツです。
今回はかかと部分のウェルトが切れてしまっていたため、ウェルトを新しく作製し、元のアウトソールを再利用して修理しました。
Dr.Martens 2976 DS 修理前


一見すると大きな問題はなさそうですが、かかと周辺を確認するとウェルトが破損しています。


かかと部分のウェルトが切れ、靴本体とソールの間に隙間ができていました。
ブーツを脱ぐ際にかかとを踏んだり、ブーツジャックを使用したりすると、ウェルトに強い負荷がかかることがあります。
その負荷が繰り返しかかることで、今回のようにウェルトが切れてしまう場合があります。
一方、アウトソール自体の摩耗は少なかったため、今回はウェルトを交換する「リウェルト」を行い、ミッドソールを追加してから元のアウトソールを再利用する方法で修理します。

2976 DSに使用されているウェルトは、2列のステッチを入れるための特殊な形状をしています。
同じ形状のウェルトは一般に流通していないため、今回は革を加工して、元のウェルトと同じ形状になるように作製しました。
革の厚みや段差、ステッチを入れる位置を調整しながら、ダブルステッチに対応したウェルトに仕上げています。

新しく作製したウェルトを靴本体に取り付け、ドクターマーチンの特徴でもある黄色い糸を使用して縫い合わせていきます。
まず1本目のステッチで靴本体とウェルトを縫い合わせ、しっかりと固定します。

次にミッドソールを取り付け、ウェルトとミッドソールを2列目のイエローステッチで縫い合わせます。
この2段階の縫製によって、2976 DSの特徴であるダブルステッチを再現しました。

最後に、取り外しておいた純正アウトソールを取り付けます。
今回はソールの摩耗が少なかったため、新しいものに交換せず、元のアウトソールを活かして仕上げました。
Dr.Martens 2976 DS 修理後


破損していたウェルトを新しく作製・交換し、靴全体の雰囲気を損なわないように仕上げています。

2976 DSの特徴である黄色いダブルステッチも再現し、元のデザインに近い仕上がりに。

ウェルトが切れて隙間のできていたかかと周辺も綺麗に収まり、再び履ける状態になりました。

既製品のウェルトを使用できないため、革の加工から縫製、ソールの取り付けまで、一つひとつ調整が必要な修理となりました。
今回のようにウェルトが切れてしまったドクターマーチンでも、状態によっては修理できる場合があります。
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