本革と合皮の違いとは?メリット・デメリットと見分け方

革製品を選ぶときに必ず悩むのが本革と合皮の違いです。見た目は似ていますが、素材の特徴や寿命、メンテナンス方法には大きな違いがあります。この記事では、靴・鞄修理の現場から見た本革と合皮のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。これから革製品を購入する方や、長く愛用したい方に役立つ内容です。


目次

本革とは?特徴とメリット・デメリット

本革の特徴

本革は牛や羊などの動物の皮を加工した天然素材です。自然の模様(シワや血筋)が一つ一つ異なるため、世界に一つだけの風合いを楽しめます。また、使うほどに色艶が増し、経年変化(エイジング)を味わえるのも魅力です。

メリット

  • 高級感と質感が抜群
  • 耐久性が高く、修理しながら長く使える
  • 経年変化で味が出る

デメリット

  • 水や湿気に弱く、カビやシミが発生しやすい
  • 定期的なお手入れが必要
  • 合皮に比べて価格が高い

合皮(フェイクレザー)とは?特徴とメリット・デメリット

合皮の特徴

合皮(合成皮革)は、ポリウレタン(PU)や塩化ビニール(PVC)などを加工して革のように見せた人工素材です。近年は技術が進み、本革に近い見た目や質感を持つ製品も増えています。

メリット

  • 水や汚れに強く、メンテナンスが簡単
  • 軽量で扱いやすい
  • 本革よりも安価でデザインのバリエーションが豊富

デメリット

  • 経年劣化で表面が剥がれたり割れることがある
  • 修理が難しく、劣化したら交換対応になることが多い
  • 長期使用には不向き

本革と合皮の寿命の違い

  • 本革の寿命:手入れ次第で10年、20年と長く使える。革靴や鞄は修理を重ねて一生ものにできることも。
  • 合皮の寿命:早ければ2〜3年、長くても5年前後で劣化が始まる。表面のひび割れや剥離は修理が難しいのが実情。

修理屋から見た本革と合皮の違い

靴や鞄修理の現場では、本革は部分補修・カラーリング・縫い直しなど多彩な修理が可能です。一方で合皮は、表面が劣化すると素材全体が割れてしまうため、部分修理での延命が難しく、全体交換や買い替えをご提案するケースが多いです。

つまり、「直して長く使いたい」なら本革、「手軽さと価格重視」なら合皮と考えるとわかりやすいでしょう。


本革と合皮の選び方のポイント

  1. 長く愛用したい → 本革
    経年変化を楽しみ、修理しながら育てるスタイル。
  2. コストや軽さ・流行重視 → 合皮
    短期間の使用やトレンドアイテムに向いている。
  3. 修理・メンテナンスを重視するかどうか
    本革は直して使える、合皮は消耗品に近い。

本革と合皮の見分け方

見た目がそっくりな本革と合皮ですが、次のポイントを押さえれば比較的簡単に見分けられます。

1. 表面の模様(シボ)の違い

  • 本革:シワや毛穴の跡がランダムで不均一。同じ模様は存在しない。

  • 合皮:表面が均一でパターンが繰り返される。

2. におい

  • 本革:独特の革の匂い(動物性由来)。
  • 合皮:樹脂や化学製品の匂い。

3. 手触り

  • 本革:しっとりと温かみがあり、押すとシワが寄ったり戻る。
  • 合皮:やや冷たくツルっとした質感。押しても動きが少ない。

4. 裏側(床面)

  • 本革:繊維が毛羽立ち、スエード状。

  • 合皮:布地や不織布が貼られていることが多い。

5. 経年変化

  • 本革:使うほどにツヤや色の深みが増す。

  • 合皮:時間とともにひび割れ・剥離が発生する。


比較表(本革 ・ 合皮)

項目 本革 合皮
質感・高級感 ◎ 個体差・味が出る ○ 均一で綺麗
耐久性 ◎(修理で延命可) △(劣化すると交換)
メンテ難易度 △ 定期ケア必要 ○ 手軽
価格 △ 高め ◎ 手頃
寿命 ◎ 10年以上も可 △ 2〜5年が目安
修理のしやすさ ◎ 部分補修・染色可 △ 張替え/交換が主
重量 △ やや重い場合あり ○ 軽量

まとめ

  • 本革=高級感・耐久性・修理可能で長く愛用できる。
  • 合皮=手軽・安価・軽量だが寿命は短め。
  • 「直して一生モノ」なら本革、「手軽さ重視」なら合皮

相談・お問い合わせ

NAMELESSでは、本革の補修・カラーリング、合皮のパーツ交換・張替えまで対応しています。
「この素材は直せる?」「交換と修理どっちが良い?」など、お気軽にご相談ください。

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